その他の財産権の相続

その他の財産権の相続

1.知的財産権の相続

知的財産権とは、知的財産法により保護の対象となっているもので、工業所有権と著作権により構成されています。

ア.工業所有権

工業所有権関連の知的財産権は、権利を希望する者が特許庁に対し特許出願または実用新案、意匠若しくは商標の登録出願し、特許庁の審査を経て特許庁が一定の法律要件を満たしていると認定した当該出願を特許庁の各原簿に登録して初めて発生します。工業所有権に対する実施権、質権、移転、相続、放棄等の権利又は権利にまつわる事項は、登録しなければ第三者に対抗することができません。
しかしながら、相続等の一般承継による権利移転については、登録手続きが効力要件とはなっていないため、遅滞なく特許庁長官に届け出ればよいです。

イ.著作権

著作者の権利には、著作権と著作人格権がありますが、いずれにせよ、特許権や商標権とは異なり、出願・登録することなく著作物の創作によって自然に発生するものであって、発生のための登録は要件とはなりません。もっとも、著作権を譲渡するためには、合意により行えば足りますが、第三者に対して主張するためには、著作権登録原簿等への移転登録が要件となります。それに対し、著作者人格権は著作者の一身専属件なので、相続の対象にはなりません。

2.有価証券の相続

相続により取得した株式を継続して保有するにしても、第三者に譲渡するにしても、まずは、取得者に名義を変更することが一番目の作業となります。
株式の譲渡では、その株式を取得した者の氏名又は名称及び住所を株主名簿に記載(記録)しなければ、株式会社その他の第三者に対抗することができません。また株式は、遺産分割前においては、共同相続人間で相続分に応じた準共有関係となります。
有価証券の名義書き換えをするためには、株券の有無等を調査・確認し、必要な書類をそろえなければなりません。必要書類は、株式会社によって異なる場合がありますので、慎重な調査が必要となります。

3.保険金の請求

死亡給付の生命保険金を代理人として司法書士が請求することも可能です。
死亡保険金の請求権者は、死亡による請求原因が発生した時、遅滞なく保険会社に対し被保険者が死亡した事実を通知することが求められています。「遅滞なく」とは、一般的に死亡から2カ月を目安としています。他方、諸般の事情から保険金等の請求を3年間行わない場合、時効により請求権は消滅してしまいます。
被相続人の死亡を保険事故とする生命保険金請求権は、受取人と指定された者の固有の権利ですので、相続財産には含まれません。なぜならば、死亡保険金を受け取る権利は、保険契約で受取人と指定されている人の固有の権利となるからです。
保険請求者は、保険契約上に定められた保険金受取人がなります。ご自身が受取人になられている場合には、早急に手続を行うことが肝要です。