遺言の撤回

遺言の撤回

遺言の撤回とは

遺言者は何時でも遺言の方式に従って、その遺言の全部又は一部を撤回することができます。
遺言が成立してから効力が発生するまで、いつでも遺言を撤回することができます。
遺言を撤回するためには、別の遺言を書くことや遺言の対象となる財産を破棄することにより行うことができます。
つまり、複数の遺言書があり、それぞれの遺言内容が矛盾する場合は、最新の遺言書の内容が有効とされ、それと矛盾する過去の遺言書の記載については撤回されたものとみなされます。

抵触する、後の遺言

内容が抵触する複数の遺言が存在する場合、その抵触する部分については、古い日付の遺言が撤回されたものとして、最新の日付の遺言内容が有効とされます。

抵触する、生前行為

遺言者が、遺言書作成後に、遺言と抵触する生前処分その他の法律行為をしたときは、その部分の遺言は撤回されたとみなされます。具体的には、遺言の対象になってる不動産の売却による処分や、生前贈与や寄付等が挙げられます。

遺言書の破棄

遺言者が、故意に遺言書を破棄したときは、破棄した部分について遺言を撤回したものとみなされます。
ただし公正証書遺言の正本を破棄しても、撤回したことにはなりません。公正証書遺言は、原本が公証役場に保管されていて、遺言者には写しが渡されているだけです。
公正証書遺言を撤回するには、新たな遺言を作成して、前の遺言を撤回する必要があります。この場合の新たな遺言は自筆証書遺言・公正証書遺言のどちらでも構いません。

遺贈の目的物の破棄

遺言者が故意に遺言書に定める目的物を破棄したときは、破棄した部分について遺言を撤回したものとみなされます。