遺言の効力

遺言の効力

遺言の効力発生時期

遺言は単独行為ですので遺言者が一定の方式に従って遺言の意思を表示した時に成立しますが、遺言としての効力を生じるのは遺言者死亡の時(相続開始時)です。
ただし、遺言に停止条件が付されている場合には条件が成就した時に、無条件の遺言としての効力を生じることになります。

遺言の執行

遺言書の保管者は、相続の開始を知った後、遅滞なく、遺言書を家庭裁判所に提出して、遺言書の検認を受けなければなりません。
また、遺言書の保管者がいない場合に、相続人が遺言書を発見したときも、家庭裁判所で遺言書の検認を受けなければなりません。
ただし、公正証書遺言であれば、家庭裁判所での検認不要です。遺言書に封印がしてある場合は、家庭裁判所で相続人又はその代理人の立会いがなければ、開封することができません。

遺言執行者

遺言執行者とは

遺言執行者とは、相続開始後、遺言者にかわって遺言内容の実現に向け必要な一切の事務を執り行う者のことをいいます。

遺言執行者の指定

遺言者は遺言で、一人または複数の遺言執行者を指定し、またはその指定を第三者に委託することができます。この指定及び委託は必ず遺言でしなければなりません。
遺言が効力を生じても、遺言執行者に指定された者はその承諾をするかどうかについて選択する自由があり、承諾後に遺言執行者となります。

遺言執行者の選定

遺言執行者が遺言で指定されていないとき、または指定された遺言執行者が死亡等によりいなくなった場合は、利害関係人の請求により、家庭裁判所で遺言執行者を選任することができます。
利害関係人とは、相続人、受遺者、これらの者の債権者または不在者財産管理人、相続債権者および相続財産管理人等を指します。

遺言執行者の資格

未成年者及び破産者は、遺言執行者となることができません。
相続人が遺言執行者となれるかについては争いがありますが、相続人の廃除など遺言内容の執行の公正が期待できないような内容の遺言以外については、相続人を遺言執行者することも可能です。

遺言執行者の職務

1.財産目録の作成

遺言執行者は、まず最初に財産目録を作成しなければなりません。相続人からの請求があれば、相続人の立会いの下、財産目録を作成しなければなりません。
公証人に財産目録を調製させる場合には、相続人の立会いが必要となります。

2.推定相続人の排除・認知の届出

遺言で子の認知がなされている場合、遺言執行者は執行者に就任してから10日以内に、戸籍上の届出をしなければなりません。
遺言による相続人の廃除および廃除の取消については、遺言執行者は家庭裁判所にその請求をなし、審判が確定した後に戸籍上の届出をする必要があります。

3.財産の引渡し等

遺言の内容が財産処分に関わるものであれば、内容に従い財産の引渡しや不動産の移転登記手続きを行わなければなりません。また、相続財産を不法に占有している者や、遺言の内容に従わない者が存在する場合には、遺産の引渡し請求や抹消登記請求訴訟をすることもできます。
また、遺言で受遺者が指定されていれば、受遺者に対し財産を交付します。

遺言執行者の解任と辞任

遺言執行者が任務を怠ったとき、その他正当な事由があるときは、利害関係人の請求によって、家庭裁判所は遺言執行者を解任することができます。
また、遺言執行者は正当な事由があるときには、家庭裁判所の許可を得て辞任することができます。