遺留分滅殺請求の行使

遺留分減殺請求の行使

遺贈と贈与間の順序

遺留分減殺請求権の対象となる遺贈と贈与が存在する場合、遺留分権利者は、まず遺贈を減殺した後でなければ贈与を減殺することができません。

複数の遺贈がある場合の順序

複数の遺贈がある場合、遺贈間での先後関係はなく、全部の遺贈がその価額の割合に応じて減殺されることとなります。
遺言者が遺言で別段の規定をしているときは、それに従います。

複数の贈与がある場合の順序

複数の贈与がある場合、新しい贈与から減殺し、順に前の (過去の) 贈与に及ぶことになります。新旧の判断は、登記や登録の日時でなく契約の日時によって行われることとされています。
この場合、遺言者が遺言で別段の規定をしているときでも、無意味なものになります。

減殺請求権の行使方法

遺留分減殺請求権は、必ずしも訴えの方法によることを要せず、相手方に対する意思表示によってなせば足ります。
後日の争いをできる限り回避し、事後の立証の便宜のため配達証明付内容証明郵便により行うのが一般的です。
また、相手方が応じない場合には、訴えを提起するほかはありませんが、その場合の裁判所の管轄は、相続開始地を管轄する裁判所となります。

減殺請求権行使の相手方

減殺請求権行使の相手方は、減殺されるべき処分行為によって直接的に利益を受けた受遺者、受贈者、その包括承継人、悪意の特定承継人、権利設定者です。

遺留分減殺請求権行使の効果

現物返還の原則

遺留分減殺請求の行使がなされると、法律上当然に減殺の効果を生ずるため、遺留分の侵害となる遺贈または贈与はその効力を失い、目的物に関する権利が遺留分減殺請求権者に帰属することになります。
したがって、遺留分減殺請求権行使の結果、受遺者または受贈者は、対象財産の全部または一部を返還しなければなりません。

価額弁償

受遺者または受贈者は、減殺を受けるべき限度において、贈与または遺贈の対象財産の価額を遺留分権利者に弁償して現物返還の義務を免れることができます。 また、遺留分減殺請求権を行使する前に対象財産が第三者に譲渡された場合において、第三者が遺留分権利者に損害を加えることを知っていたものではない限り、遺留分権利者は受遺者又は受贈者に対し、価額の弁償を請求できるにとどまります。

果実の返還

受遺者または受贈者は、対象財産の返還の他に、減殺の請求があった日以後の果実を返還しなければなりません。